いちげん的魔道師概論
ここでは、私こと「いちげんの」個人的解釈による中原における魔道師のあり方 についての概論を紹介いたします。
かなり、独断と偏見が入り混じったものですので、鵜呑みにしないように(笑)
ただ、いちげんグインサーガの設定集として気軽に読んでもらえるとありがたい です。



1.魔道師になるための代表的なルート
 中原において全ての魔道師は中原白魔道師連盟の定める『魔道師資格』を取得せねばならない。(さもなければヤミ魔道師や黒 魔道師として、正規の魔道師による処罰や粛清されてしまう事となる)
 しかし、その魔道師資格を得るための試験で審査される魔道の術は一体どのような経緯で身につけていくものなのであろうか?
 以下の表に簡潔にまとめてみた。


パロ魔道師ギルド
学問所
一般的な魔道師
(個人魔道師への弟子入りも含む)
入門 の
きっかけ

幼い頃に魔道師ギルドに引き取られる
普通課程の魔道学の授業を受講
入門 5歳位〜10歳前後まで

物心がつかない程に幼い時期に、本人の意志と は無関係にギルドに身柄を引き取られる。魔道師食を与えられて養育される。

全ての王立学問所学生は魔道学の基礎を学ぶ。

@魔道師組織のスカウト
A.自らの希望で弟子入り
本人の承諾・誓約の元に修行に入るのが特徴
修行課程

魔道教育 3歳〜10歳の前後 魔道学専攻の授業 修行 5歳位〜16歳前後

1・初歩的な魔道の術の修行
2・魔道に関連する知識
3・魔道師の肉体への改造
※特に3に関しては、他では類を見ないほど徹底的に行なわれる

1・初歩的な魔道の術の修行
2・魔道に関連する知識
3・魔道師の肉体への改造
(※但し、3は才能を有した希望者のみ)

1・初歩的な魔道の術の修行
2・魔道に関連する知識
3・魔道師の肉体への改造
魔道師見習い  10歳〜16歳の前後
初級魔道師資格審査 及び取得
見極め・許可

引き続いて(というよりもさらに厳しく)修行 を受けつつ、薬品の調合やギルド関連施設での労働、ギルドに引き取られた子供達の面倒見・・・・などの作業を行なう。16歳位で資格講習を受けるだけの能 力は身についている。

王立学問所の魔道学専攻コースの卒業検定にあ たる。
これに合格すると、魔道法で定められた魔道師資格に準ずる資格を得、魔道関連産業を営む或いは就業する事が出来る。

才能や資質を判断し、パロの正式な魔道資格講 習を無事にやり遂げ、審査に合格する可能性が大きいと組織あるいは師匠が判断した者のみに、受講の許可及び推薦状を出す。
共通課程



魔道師資格講習(及び審査)
 講習とはよばれているが、実質的には中原白魔道師連盟に加盟する魔道師が全員受けるべきものであるとされる”正式な”魔道師 になるための修行であり、その内容は常人の想像をはるかに絶するほど過酷なものとなっている。
 まず最初に、例外なく魔道十二条の遵守と忠 誠を誓約させられる。この誓約とは、普通の人間より精神的な存在であるとされる魔道師にとっては絶対的なものであり、それを破る事は非情に困難な精神的苦 痛を伴う事となる。場合によっては発狂したり、死に至る場合もある。その事がたびたび繰り返されると当人の放つオーラに影響を与え始め、一定の水準を超え てしまうと、もはや黒魔道師のそれに変化してしまう。
 その他にも、魔道学全般(魔道言語学、魔道化学、魔道社会学、魔道物理学、魔道心理学・・・)や精神学、博物学、薬医学などの(基本的には、それ以前に 修得されているべきものと考えられる)総合的な学術知識に対する補完的な指導も行なわれる。 
 魔道の術についても、ここではじめて本格的なものを伝授される事となる。魔道師であると認定される最低限必要とされる魔道の術の数々を叩き込まれる事に なる。
 それより特筆すべきは、肉体の改造、だろう。本来であれば数十年、数百年かけて行なっていくような魔道師の持つ”精神的な肉体”への造り替えをわずか数 年で行なうために、非人道的なまでの過酷な内容となっている。劇薬に近い程の過激な反応を引き起こす薬物の投与、不眠不休で行なわれる肉体の限界を超えた 荒行、餓死しても不思議ではないような断食断水・・・・・・・実際その課程で何人もの志望者が命を落とし、とりかえしのつかない損傷を負ったり、発狂した りして、一生魔道師ギルド内で使役される奴隷と成り果てたり、”処分”されたりする。
 受講者はそういう事があると、事前に承諾した上で修行に入るのであり、その志願者を送り出す側の魔道師組織は、それをやり遂げる事が可能であると見極め た者だけに、この魔道師資格講習を受講する許可をあたえるのである。逆に言えば、この”講習”についた者は、無事審査を通過して魔道師という人外の者にな るか、期限(成人する)までに合格出来ずに一生ギルドの施設内で酷使される者になるか、廃人や死人になるかのどれかになるしかなく、「通常の人間である事 をやめる事」「二度と普通の人間の生活を送ることが出来ない事」を覚悟の上で望むよう事前に通達されるのである。
魔 道師資格取得
 無事審査を通過し、魔道師資格を取得したものは、中原白魔道師連盟の定めるところの「白魔道師」を堂々と名乗る事が出来、魔 道関連の店舗において各種の触媒や薬品、霊薬、魔道具を購入する事はもとより、あらゆる魔道関連産業に従事する事や魔道十二条で許されている限りにおいて 自由に魔道を行使する事を許される。
 弟子をとって魔道学をはじめとする周辺の学問や(許されている範囲での)初歩的な魔道の伝授、肉体の改造を指導する事、そしてそれをもって生計を立てる 事なども許されるし、魔道師の傭兵ともいうべき魔道士として権力者やまた パロ以外の各地の魔道士団や魔道士派遣ギルドに雇われたりする事も出来る。
進路
パロ魔道師ギルド 直轄
自由魔道師(フリー ランス)
他の魔道師組織

パロ在住の魔道師で特にギルドに忠誠を誓いその直轄の魔道師となってギ ルドの活動に従事する事を選んだ者は、その代わりとして貢献度や能力に応じてパロ魔道師ギルド内での階級を与えられ、その段階ごとに定められたギルドに伝 わる奥義を伝授・修行する事が出来る。パロでは魔道師資格を受けた段階では『三級魔道師』と呼ばれる。

特にいずこかの魔道師組織に入団する事もな く白魔道師連盟には所属するものの、半分独立している形となり魔道の追求や各種の活動を行なう。ケイロニアのまじない小路やパロのイラス通り、ノスフェラ スなどに集まる。

魔道士となって、国やそれに準ずる地方勢力と契約を結び、その魔道士団 に加入する。あくまで単なる”契約”であり、パロのギルドのような生涯にわたる忠誠を誓う、またそれを強要するような事はない。ただ、逆に契約期間や内容 に限定しては、その契約を遵守するように誓約を行なう。
パロ以外の一般的な正式魔道師が選ぶ道がこれ。

2.魔道師の生計
 正式な魔道師資格を取得した者は全て中原白魔道師連盟に所属する 形となる。
 ただ、この連盟への所属は、単に白魔道師である事を証明するだけのものであり、魔道十二条の厳守などを盛り込んだ魔道法に従う、という事以外に何の制約 も生活援助もない。資格を取得したばかりの魔道師にとって制約の方はともかく、何の収入もない、先立つもののない状態というものは実際に多くの問題を抱え る事なのである。
 魔道師である以上、飲食の心配すなわち飢える事については心配は全く無いのだが、己の研究にうちこんだり、魔道の術を行うにも、様々な触媒や魔道具、霊 薬、の類を魔道関連の店舗において購入しなくてはならぬし、魔道を行使しやすくするための結界や魔道陣を設置するためにも自宅や研究の場として己の拠点と なる施設を何処かの地に構えなくてはならないからである。特に 拠点に関して言えば、諸国の領土内ことに大都市部にそれをおこうと考えたときに当然不動産業者からその物件を借りる、あるいは購入する必要があるし、その 都市を支配・管理する政治機関に居住を申し出てその認可を受けたり、市民税を支払わなければならない。また魔道師である以上、その地域を担当する『魔道師 ギルド』に一定の金額を納入する必要がある。
 そのため魔道師は何らかの商いを行い、生計を立てなければならないのである。
 魔道師の生計の立て方で最も一般的とされるのが、魔道士に なる事、である。
 魔道士とは魔道の技術をもって他人に雇われ仕える、いわば魔道師の傭兵であり、その契約期間内においては『魔道法』に抵触しない範囲において雇い主の命 令に従う。雇い主は貴族や商人、地方豪族、隊商などの個人や小組織であったり、都市や国家、各種超国家機関などの大組織であったり様々で、その内容は警護 から占術による助言、伝令など多岐にわたる。他にも期間を定めず終身的にその雇い主に仕える場合やギルドを介して派遣される場合などもある。
 こうした期間契約で雇い主の便宜を図る他にも、単発的に依頼を受ける便利屋な 活動も広義では魔道士業に含まれると言えよう。依頼主からすれば、一件につき報酬を支払う形となり当然期間契約よりはコストパフォーマンスがいいので(そ れでも庶民の金銭感 覚からしたら極めて高額には違いないが)、一般市民が利用する事も可能であったりする。勿論、上流階級の者が単発で依頼をする事もある。
 他に、「占いの店」や「薬調合」「魔道用小道具の生産」などの小型の魔 道関連の店舗を営んだり、それと魔道士や便利屋を兼任したりする者もいる。
 こうして収入を得た魔道師は居住エリアを支配する魔道師ギルドや行政への所定の金額を上納金や税としてまず収め、残りを自分の研究・活動及び生活のため の資金とするのである。

3.魔道師ギルドと魔道士団
 魔 道師ギルドとは、各国家の都市や地方ごとに存在する組合組織であり、その規模や勢力は単純にそこに存在する魔道師の総数で決まる。
 中原において魔道師として活動するためには白魔道師連盟が発行する魔道師免許を提示出来なくてはならず、それが出来ない者はヤミ魔道師として逮捕され、 その活動の内容によっては処罰・追放されるのだが、各都市に存在するこの魔道師ギルドに加盟し、他の魔道師に認知してもらえばいちいちその資格を問われる という煩わしい問題に悩まされることも無く活動する事が出来る。魔道師ギルドはその運営のため、一定の金額を徴収する以外には魔道師達の行動に干渉する事 はない。
 おもな活動として”魔道士”や”便利屋”の紹介・斡旋などを含め、店舗を持たぬ魔道師達と一般人とを結ぶ仲介の役割を果たす。たいがい、その都市や国家 の貧民街やいかがわしいエリアの裏通りにこじんまりとした”本部”をおく。
 魔道師の中にはこうしたギルドへの所属や上納金の納入を嫌がり、自由国境地帯や辺境、ノスフェラスに本拠を構えるものも少なくは無い。
 彼らは自分の隠れ家で魔道の研鑚に励んだり、研究を行なったりしている。が、彼らとて様々な魔道の道具や薬品を調達するのに資金が必要になってくるので あり、やはり「2・魔道師の生計」で並べたような仕事をする事で収入を得なくてはならない。そのため、北の大国ケイロニアにある「まじない通り」に己の本 拠に通ずる「魔道の回廊」を設置し、人々の依頼を聞くなどして収入を得ている。「まじない通り」は言わば魔道師の自由市場のようなものになっており、ケイ ロニア政府やケイロニア魔道師ギルドの力の届かない治外法権エリアとなっている。

 中原の諸国の 中には、国家の機関として魔道士やその一団、すなわち魔道士団を用いる所も 少なくは無い。代表的なものといえばパロやクム、旧モンゴール、それに沿海州やゾルーディアなどの自由都市国家などが挙げられよう。
 国家直営の魔道士団に所属する魔道士はその国家に対する『忠誠』を誓約させられ、魔道十二条に抵触しない限度において、最大限その国家に対して有益な行 動をとるように務める。魔道士(魔道師)はその性質状、全体的な学問の水準の高くない諸国間においては魔道の実力そのものよりも、その知識や頭脳を要求さ れていることも多く、軍師や相談役として重用されている場合も多い。

 よく混同され る事も多いが、このように魔道士団と魔道師ギルドとはその性質も役割も大きく異なっている。その例外として、魔道大国パロの魔道師ギルドがあるが、それに ついては次の項にゆずる。

4.パロ魔道師ギルド
 パロ魔道師ギルド、それは中原最古にして最大の魔道師組織であ り、その規模においても内容においても他のものと一線を画す。
 パロ国内で活動する魔道師を管理し、仕事の紹介や斡旋、仲介を行なう(通常の)魔道師ギルド的役割だ けではなく、『魔道士の塔』と呼ばれる下部組織(機関)を通してパロの聖王国に仕える魔道士団的役割や、さ らには中原白魔道師連盟の本部のおかれる中心組織として魔道師免許の発行や白魔道師全体への通達、違反魔道師の取り締まりなどの魔道師管理者的役割、 他にも最先端の魔道や修行法の開発や世界生成の秘密などの真理を追究をしていく魔道研究所的役割な ど、様々な役割を併せ持つ。
 他に類を見ない厳しい戒律と上下関係、階級制度のある事でも、あくまで平等な組合に過ぎない他の地域の魔道師ギルドと異なっている。
 先に述べたとおり、パロの魔道師ギルドは長年の研究によって魔道師でさえあれば本人の資質を問わず修得可能な膨大な魔道の術の数々とその修行法を確立し ている。しかし、それは言ってみればパロ魔道師ギルドの門外不出のものでもあり魔道師の誰もが学べる訳ではなくて、ギルドに対する忠誠を誓って、その命令 を受ける事を誓約した魔道師の中で、ギルドに対する貢献を認められ、それを学ぶ資質と才能があると判断されたものだけが段階に応じてそ の秘密の修行を受ける事が出来るのである。
 このシステムによってパロ魔道師ギルドは―――通常であれば魔道師資格を取得して以降は、その能力や得意とする術もバラバラな他の組織やフリーの魔道師 と違って―――バランスよく魔道を修得している平均的に高い水準を持った魔道師をそろえる事が出来ているのである。
 大まかに分けて、下級魔道師、上級魔道師、導師と分けられる。詳しくは以下の表を参考にしてもらいたい。

階 級
特色




三級魔道師
魔 道師資格を得た者で、パロ魔道師ギルドに対する忠誠を誓い、その直属魔道師になる事を希望した者。
さらに上の階級を目指す者はいずれかの上級魔道師の部隊に編入され、その命令に従う事でギルドの指令 を受け、貢献する形となる。
ニ級魔道師 ギ ルドに一定の貢献を果たし、それを認められて二級魔道師の講習及び審査を受ける事を許可され、それを通過した者。
一級魔道師 ギ ルドに一定の貢献を果たし、それを認められて一級魔道師の講習及び審査を受ける事を許可され、それを通過した者。
上級魔道師  ギ ルドに一定の貢献を果たし、また、その判断や性質がギルドの方針に沿うもので、ある程度の自由裁量を任せられるという事を認められ、上級魔道師の講習及び 審査を受ける事を許可され、それを通過した者。
 下級魔道師を部下に持つことが出来、必要な場合にはそれを使役する事が出来る。また、あくまで部分的にだが、彼らに助言を与え、魔道の知識や術を(許さ れている範囲で)伝授したり、と下級魔道師を指導する役割の一端も担う。
 さらに(より上の導師位を目指す場合を除き)普段はその行動についてはあまり制約も受けず、それをギルドに信頼され、承認されている。
 いわば、ギルド内において自由に活動を行なう権限を与えられている者達でパロ魔道師ギルドの主力的存在といっても過言ではない。しかし、時には”要請” あるいは”召集”という形でギルドの命令を受ける事もある。
 他の組織であれば、充分にギルド長や魔道士団長を務める事が出来る魔道師たちである。

導師  ギルドの運営に加わるのふさわしいと判断され、非常に困難と言われる導師資格講習及び審査を通過し た者。
 魔道師の育成や魔道師ギルドの各部門の責任者を任されたり、国家機関との折衝やギルドの利益に結びつく様々な活動に従事する。
 ルアー神殿大祭司のアリエル師などがこの階級である。
上位導師 導師の中でも、パロ魔道師ギルドの中の数人の大幹部に与えられる魔道師位である。作中に登場するウィ グル導師は重要機関『魔道士の塔』の管理・責任を行なう幹部中の幹部である。
大導師 パロ魔道師ギルドの代表者のみに与えられる魔道師位であり、この階級にあるのは当然の事ながらカロン 魔道師ギルド長ただ一人である。

 魔道大国と呼ばれるパロの魔道師ギルドに所属する全ての魔道師の階級ごとに 表したのが右のグラフである。

 この中で初級魔道師を除く正式な魔道師資格保持者の数だけ見て も、中原の他の魔道師ギルドの構成員の数倍の人数を誇る巨大魔道師組織であり、中原白魔道 師連盟に加盟している各種機関の中でも、その人員数、規模、水準の高さにおいて群を抜く存在であり、勢力的に言えば連盟の三分の一に匹敵する。
 パロ魔道師ギルド自体はパロ聖王国に直属する機関では無く独自の活動を行なっているが、当然聖王国と密接な関わりを持つことに疑いの余地はない。
 ギルドに所属する魔道師の中から性格、能力ともに選りすぐった者を聖王国に仕える魔道士として派遣したり、王立学問所における魔道学の授業を担当した り、また国家の非常事態においては魔道士以外のギルド員を派遣したりする。
 魔道師ギルドの運営に関する資金はギルドの過半数を占める初級魔道師や非直轄魔道師からの上納金や、国家予算の中から魔道士の塔に割り当てられる給金、 王立学問所の魔道学部門に分配される研究費などによって賄われる。

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